苔楽地蔵が教えてくれたこと⑦

〜〜想いを言葉にすればいつかは叶う〜〜

サミット開催は小さなひらめきから

私は、時々ふとした拍子に、いろんなことを思いついてしまう。

アトリエの改装作業をしながら頭の中に浮かんだのはこんなことだった。

「全国の苔テラリウム作家さんやクリエイターが、一堂に集まって話ができたら、どんなに面白いだろう」

でも正直、誰も今までやったことがないし、最初はただの空想でしかなかった。

そんな大それたことが自分にできるわけないとさえ思っていた。

そんな時思い出したのが過去の出来事だ。

絵本作りで学んだこと

実際に、これまでもふとした思いつきが形になった経験がある。

たとえば「苔楽地蔵の森さんぽ」という絵本を作った時もそうだ。

その時もなんとなく頭に浮かんだ構想やストーリーをSNS上で呟いたところから始まった。

そこからそれに共感してくれた誰かがイラストレーターを紹介してくれて、また別の誰かが自費出版のやり方を教えてくれて、少しずつ現実になっていった。

その時、苔楽地蔵が教えてくれたのは、「想いを言葉にすれば、いつか願いは叶う」ということだった。

だから今回も、まずは言葉にしてみることにしたのだ。

インスタライブから始まった共創

インスタライブ「アトリエ通信」の中で、その構想を話してみた。

「こういう集まり、できたらいいな」って。

何名かの視聴者の方から共感をいただき、アイデアをいただきながら、思いつきは少しずつ具体化していった。

実は「苔テラリウムクリエイターズサミット」というタイトルもアトリエ通信の中で決まっていった。

内容についても、インスタライブであれこれみんなで話しながら決めていった。

みんなで作り上げていくような感じがとても良かったのを覚えている。

とはいえ、実際ただ構想を語っただけではここには人は集まらない。

やっぱり、それなりの“求心力”となるものが必要だ。

レジェンドたちの協力

その時、これまでお会いしてきた、尊敬する作家さんたちの顔が思い浮かんだ。

正直、返事がこなくても仕方ないと思いつつ、ダメ元でDMを送ってみることにした。

そんな中、一番最初に「参加」を表明してくれたのが、あの道草の石河さんだった。

その一報を受け、正直すごく救われた。

「これでもうサミットの失敗はなくなった」って直感的に思えた。

そこから、他の方々からも次々に参加表明をいただいて、本当にありがたかった。

苔楽のアトリエで迎えた記念すべき日

会場は、できたばかりの苔楽のアトリエ。

広くはないけど、なんとか30人は入れそうだ。

アトリエの内装は、当日ギリギリまで調整して、なんとか人を迎えられる状態にした。

机や椅子は、タカコさんの仕事関係の方からお借りした。

東海勢の仲間たちは、まるで自分のことのように手伝ってくれた。

苔テラ小屋で築いたチームワークが、確実にここでも活かされていた。

そして、ついに全国から仲間がやって来た。

驚いたのは、思った以上に遠方の方からも駆けつけてくれたことだ。

みんなのフットワークの軽さには脱帽した。

なにより「参加したい」と思ってくれた気持ちそのものが嬉しかった。

それだけで、この場を作って良かったと思えた。

それぞれの心に残るもの

あっという間にサミットは終わっていた。

バタバタしていたせいか、正直あまり覚えていない部分もある。

でも、参加してくれた人たちの表情や、帰ってから届いたメッセージを見ると、ちゃんと「何か」は残ったんだと思う。

それが何なのかは人それぞれ。

少しでもその人の心にアトリエに来た意味が残ってくれていたらそれだけで嬉しい。

このイベントをやったことの大義は、きっとそこにあるからだ。

アトリエ通信はみんなの居場所で良い

「アトリエ通信」というタイトルで、毎週月曜日の夜21時にインスタライブをやっている。

相方のヒロシックスさんと、だいたい1時間くらいしゃべってる。

最初のころは、「何を話すか」「どうやって面白くするか」「どんな企画をやるか」ばかり考えてた。

しかし、次第に、だんだん大事なことはそれじゃないのかもしれないと分かってきた。

聞いてくれる人たちは、情報がほしいというより、なんとなく“安心できる居場所”としてアトリエ通信に来てくれているんじゃないかな、と感じるようになった。

つまり、毎週決まった時間にライブをやっていること自体が大事なことなのかもしれないと。

そのように感じている今は、みんなの居場所、帰ってくる場所としてまだまだアトリエ通信を続けていく意味があると思っている。

そして次なる集いへ

次の企画としては「苔テラリウムクリエイターズマルシェ2025」が控えている。

Feel the gardenの川本さんに声をかけていただいて、今回が2回目の開催になる。

新たなクリエイターも参加することになっていて、すでに盛り上がりそうな予感がしている。

そして、こういうイベントを自分が主催するときは、必ず懇親会を開くようにしている。

むしろ、私にとってはそれが目的と言っても過言ではない。

人と人がじっくり交流する時間を作る方が、そこに何かが生まれやすい気がするからだ。

苔楽の活動、これから。

これまでの活動を振り返ってみると、いろんな人との出会いや助けがあったなと思う。

誰かが共感してくれて、たくさんの人に支えられ、小さなイメージが現実の形になり、今に至っている。

これから苔楽企画がどうなっていくかは、正直まだ自分でもよくわからない。

でも、思いついたことをまた言葉にして、共感を得られればそこからまた何かが始まっていくんだろうな、と感じている。

独りよがりにならず周りの人に感謝の気持ちを伝えこれからも微力ながら苔や苔テラリウム界隈を盛り上げていく力になれたらと思う。

もしかしたら、苔楽地蔵はその先のことまで見据えていて私たちをそっと素敵な未来へと導いてくれているのかもしれない。

——————————完——————————

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