世の中にはさまざまなワークショップがある。
パン作りや段ボール工作、星空観察など、多種多様な分野で行われている。
苔テラリウムもしかり。
今では多くのショップやクリエイターが参入し、苔テラリウム作りを世に広めるひとつの媒体となっている。
それもそのはず。
苔テラリウム作りは材料や道具を揃えれば誰でもできるし、出来上がりが美しいので参加者の満足度も高い。
また、作った作品はずっと愛着を持って育てることもできる。
まさにワークショップにうってつけのジャンルなのである。
私はマルシェ出店をした時、お客様から色々お話を聞く機会を持った。
そこでよく聞いたのは、苔テラリウムは見るのも好きだけど自分で作ってみたいというご意見。
それが私がワークショップを始めるきっかけのひとつとなった。
さて、ワークショップを始めようと考えても、皆と同じことをやっていては何も変わり映えがしない。
何か差別化をはかりたい。
幸い、私はYouTubeで苔テラリウム動画を何十本かアップしている。
そのストックを打ち出し、「苔楽フィルムのクリエイターがあなたの苔テラリウム作りをサポートします。」をひとつの売り文句とした。
ただ、とはいえYouTube登録者数は誰でも頑張れば到達できるほどの人数。
残念ながら苔好き界隈の方からの知名度は多少あるにはあるが、苔テラリウムに興味を持ったばかりの方にはそこまでの知名度はない。
もうひとつ、何か差別化をはかる必要がある。
まずは私のワークショップにはどんな方が来られるのか。
それを明確にする必要がある。
逆を言えばどんな人に来て欲しいのかを考えた。
30代から60代の大人の女性。
これは今、私のワークショップでメインとして展開している「はじめての苔テラリウム作り」というコースの場合である。
大人の女性は何があると満足してくれるのか。
私の仮説は「モノより価値観」ではないかと考えた。
つまり、もちろん苔テラリウムを作って帰りたいが「作る過程でどのような時間を過ごしたのか」の方が満足度に大きなウエイトがかかるのではないかと。
このコースの場合、私が講師としてするべきことは苔テラリウムのテクニカルな話ではなく、その場に楽しい雰囲気をもたらすことなのだ。
そう仮説を立てた私はワークショップの準備を進める中で、会場となるレンタルスペースの選定にとにかく時間を割いた。
来てくれる人が一時間半過ごす場所は心安らぐ場所でなければならないからだ。
現在、メインで会場とさせてもらっているリセイムさんはまさに私が探していた場所でした。
以前は地元の人が集まる喫茶店だったお店を改装した店舗。
BGMにはジャズが流れ、外からは木漏れ日が入る。
舞台は決まった。
あとはお客様が心の底からその時間を楽しみ、有意義なひとときとなるよう私がサポートをするだけ。
毎回思うが、本当にお客様とお会いするのが楽しみ。
きっとお客様のワクワクした気持ちが私に届いているんだろう。
そして最後にはありがとうと言ってもらえるよう、私も楽しみながらワークショップを続けていきたい。