苔楽地蔵が教えてくれたこと⑤

〜〜行動すれば想いは届く〜〜

私には、ずっと会いたいと思っていた人がいる。

苔テラリウムの世界に引き込まれるきっかけとなった、「道草ちゃんねる」の石河さんだ。

彼のYouTubeチャンネルは、ナレーションを一切使わず、映像とテロップだけで静かに苔の魅力を伝えてくれる。

その映像の美しさや手元の丁寧な作業、苔の見せ方からは、深いこだわりと世界観が感じられた。

私にとっては“苔テラリウム界のレジェンド”そのものだった。

「いつか、あの人のオーラに触れてみたい」

そう思いながら、私は苔と向き合い続けてきた。

小さな夢が、少しずつ動き出した

でも、いつか石河さんとコラボができたら──そんな淡い夢が心の中に芽生えたのも事実だった。

「YouTubeを続けていれば、いつか目に留まる日が来るかもしれない」

「まずは苔楽という活動を知ってもらわなければ」

そう思い、地道に発信を続けた。

とはいえ「地方のただの趣味家の活動がそんな遠い世界の人に届くはずはない」

そんな風に自分を押しとどめる声が頭をよぎることも少なくなかった。

でも──それでも、やっぱり「お会いしたい」と思っていた。

コケみざわさんとの出会い

そんな中、もう一人の苔テラリウムYouTuber、西予苔園のコケみざわさんとのコラボの話が舞い込んできた。

彼の動画も以前から楽しみに見ていて、苔農家の視点からの情報が勉強になるし、親しみやすいスタイルに共感していた。

ある日、彼の動画の中で「苔楽さんのこと、勝手に友達だと思ってます」と言ってくれた場面を見て、驚いた。

「認識してくれている…!」

すぐに返信し、やりとりが始まり、あっという間にコラボ撮影が決定した。

この経験で、“発信し続けることの意味”を実感した。

そして、コケみざわさんはその後、道草ちゃんねるとのコラボも実現していく。

忘れられない一言

ある日、道草ちゃんねるのライブ配信をリアルタイムで見ることができた。

これはお近づきになるチャンスだと思い

「こんにちは、はじめまして」とコメントしてみた。

すると石河さんが、

「あ、苔楽さん。YouTubeやられてる方ですよね」

と反応してくれた。

その一言がどれだけ嬉しかったか。

きっと本人にとっては何気ない反応。でも、こちらにとっては一生忘れない言葉になる。

「影響力」とは、こういうものなんだと感じた。

mossmile谷川さん、そしてNABOLOへの道

私が尊敬しているクリエイターは他にもいる。

そのひとりが、東海地方で活躍されているmossmileの谷川さんだ。

彼の作品は、物語性があり、どれも繊細で美しい。

イベントがあると聞けば足を運び、作品の魅せ方や管理方法、技術的な工夫まで学ばせてもらった。

次第に会話もできるようになり、やがて「NABOLO」というイベントへの出店を紹介していただけることになった。

このイベントは、Feel The Gardenの川本さんが主催する、有名クリエイターが集う場。

紹介がなければ届かなかった場所に、自分の活動がつながっていった。

「出店オッケーです」と返事をいただいた時、プレッシャーと不思議な追い風のようなものを感じた。

思い立って大阪へ

関西には魅力的な苔ショップが多い。

金木犀、苔なっこ、moss conectなど。現地で見てみたい衝動に駆られ、大阪へ行くことを決めた。

SNSで「大阪に行きます」とつぶやいたところ、一緒に行きたいという方が現れた。

それがコケモスさんだ。

ヤドンのフィギュアを苔テラリウムに忍ばせ、撮影してSNSに投稿するというユニークな趣味を持つ彼。

実際に会ってみると、とても礼儀正しく、しっかりとした好青年だった。

彼の完璧なエスコートのおかげで、大阪のショップをスムーズに巡り、苔イベントも一緒に楽しむことができた。

その旅は、苔への好奇心と、人とのご縁に彩られた、忘れられないものとなった。

そして、石河さんからの連絡

そんなある日、ついに夢のような出来事が起こる。

「道草ちゃんねる」からのコラボのご依頼だ。

もちろん願ってはいたが、本当に叶うとは驚いた。

何度も見返したそのメッセージ。

夢みたいだった。でも現実だった。

私はすぐに「ぜひお願いします」と返信した。

想いは、届くのだ。

こうして、私の小さな夢はひとつ叶った。

「画面の中の憧れの人」と、同じ画面に並ぶ日がやってきた。

苔と向き合い、作品を作り、発信を続けてきた日々は、ちゃんと意味があった。

行動し続けることが、未来を動かしていく。

これからも、自分の思いを信じながら歩き続けたい。

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