構図における苔の量の話

緑が視界にたくさん入ってくると人は癒される。

苔テラリウムの構図においてもおそらく苔をもりもりにするのが正統派なんだと思う。

だからと言って苔のみをガラス容器に入れて作るとなんだか締まりのない構図が出来上がってしまう。

でもそこに石を入れるとビシっと締まるのが不思議だ。

おそらく苔テラリウムは苔+αで成り立っている。

+αは石や砂、フィギュアやシダ植物や山野草などがそうだろう。

では次に苔の量と+αの量のバランスを考えてみよう。

個人の見解ではあるが、苔:+α=1:9くらいまで苔の量を少なくしても場合によっては成り立つと思っている。

ただし、その時はかなりジオラマ的要素が出てくる。

石の組み方や植物の選定及び配置、フィギュアの精度など、様々な要素をしっかり成り立たせた上でそこに苔を添える。

つまり苔の量がバランス的に少なければ少ないほど難易度が高まると言えるわけだ。

なので初心者の方はまずは苔:+α=9:1くらいのバランスで苔をモリモリ入れると良いと思う。

なぜなら、その後、苔が成長して自然の成り立ちを織り成し勝手にリアルさを生んでくれるはずだからだ。

時間が経過すればするほど立派な苔テラリウムになる。

技術が高まってきたら意識的に苔の量を減らした構図にもチャレンジすると良いと思う。

日本人ならではの侘び寂びを意識しながらスポット的に苔を配置していく。

この苔をどこに挿すのが最適か。

苔を挿す作業は側から見ると静的作業ではあるが本人の頭の中では煙が出そうなくらいフル回転しているものだ。

植え付けたその時だけのことだけではなく、数年後この苔がどのように成長するのかまで考えたりもする。

たまにはこのように、ジオラマや盆栽ではなく、あくまで苔テラリウムであるという境界線スレスレを狙った作品を作るのも面白いのではないだろうか。

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